ふれあどらいぶ

あなたの信じる理想を信じろ

『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』を観ても世界が輝いて見えなかった

 タイトルの通りなんですが、世界は輝いて見えませんでした。ごめんなシン君。

 

 というわけで、『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』のTVアニメ版を観て、個人的にキンプリシリーズに対してモヤモヤしたので文字で昇華しようと思い、記事にしました。

 

<以下注意事項>

※映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』、TVアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』のネタバレ要素があります。

プリティーリズムシリーズ3作、プリパラについても触れております。

※この記事を読む皆さまが、上記のプリティーリズム~キンプリシリーズの内容を多少なりとも知っている前提で書いております。

その為、予期しないネタバレに見舞われる場合がございます。今一度ご注意ください。

※前述のとおり、キンプリシリーズへの否定的な意見を含みます。

※感情的な表現を多々含みます。

※偏屈な女のオタクが書き殴りました。

※以上をご理解の上、閲覧は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 先日、気持ちの整理が出来たのでようやくTVアニメ版『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』(以下、SSS)を全話一気に視聴しました。映画版は観ていません。気持ちの整理というのは、まだ1話も観ていない状態でSSS10話目の放送時にTwitterで重要なワードがトレンド押しているところを否応なしに目撃してしまい、複雑な心境になっていたのです。

 複雑な心境になった原因は何もネタバレを踏んだからではありません。うろ覚えなのですが、そのワードが『りんね』『プリズムワールド』といったものだったからです。

 それを観て私は「やっぱりそうなんだ」となりました。

 

 ご存じの方も多いと思いますが、このキンプリシリーズは『プリティーリズム レインボーライブ』(以下、RL)の続編であり、同じ世界の物語です。

 ですのでSSSはもちろん、映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(以下キンプリ)、『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』(以下キンプラ)にもオバレの3人以外のRLのキャラクターがわりとしっかり登場します。映り込むとかじゃなくて、わりとしっかり。

 キンプリ、キンプラを観た時、ふと思ったことがあります。

 

「これを、RLを観たことのない人は100%楽しめているのだろうか……?」

 

 全てのファンの意見を拝見していないので一概に言えませんが少なくとも私はNOだと考えます。

 キンプリまではまだ、インパクトのあるプリズムジャンプの演出や応援上映という画期的な試みなどもあり、キンプリで初めてこのシリーズに触れる方々もわけがわからないなりにわけがわからないことを楽しめていたように思えます。

 しかしキンプラになり、RLの要素が一気に強くなった印象を受けました。普通に喋るハッピーレインやベルローズ、ジュネ様の言動、何の前触れもなく出る「りんね」という名前などなど。

 RLの知識がない視聴者も盛り上がりどころを察することは出来るかもしれないから楽しめた方もいるでしょう。ですが私としては確実にRLを観たことのある人の方が満足度は高いと思いました。

 前作キャラの登場や、観たことのあるプリズムジャンプ、オバレの成長を感じさせる言動やシーンなどはファンがニンマリするところでしょう。RLを観たことが無い人はそう言った楽しみ方を出来ない分、純粋にキンプリとキンプラのみで楽しむわけですが、そうなると過去の背景が分からないと理解できない面が強く、仮に楽しめたとしても満足度は確実にRL視聴済の方々に劣ってしまうと思いました。

 何よりも、菱田監督が「RLを観てほしい」と明言していると伺った時、正直かなり複雑な気持ちになりました。監督なりに映画を100%楽しんでもらうための気遣いだったのでしょうが、各所で配信されているとはいえRLは50話近くもあり、しかも所謂女児向けアニメです。これはあくまで個人の見解なのですが、キンプリでこのシリーズに興味を持ったファンの全員が女の子が主役であるアニメを好んで見る層とは限らないし、オバレとの恋愛模様が多かれ少なかれ描かれているのですから、キンプリから入った女性ファンにはそういった描写を嫌悪する方もいるかもしれません。

 では観たくないから観ないでキンプリ・キンプラを楽しめるか、といえばそうもいきません。キンプラはRLの要素を視聴者が理解している前提で進むのですから(あくまで個人の意見です)。

 そういった、ターゲット層が違うアニメの視聴が前提じゃないと監督の提供するもの・伝えたいものをファンは100%楽しめない。RLを観たくない層からすればこれはもう悲劇では???

 私はたまたまRL→キンプリという順序で出会いましたが、逆の方はどう思ったのか。50話近くもある女児向けアニメを全員が純粋に楽しめたのか。「RLは女児向けアニメだけど、女児向けらしからぬ深さがある」とか、「嫌ならこのシリーズから去ればいい・観なければいい」といった意見があるかもしれませんが、私は作品の内容そのものよりも、制作側が提供する作品の楽しみ方に異を唱えたい。

 監督の「RLを観てほしい」といった発言を、キンプリとキンプラを観た上であえて曲解すると、「RLを観てないとキンプリシリーズは100%楽しめないよ」ということじゃないでしょうか?

 では、キンプリからこのシリーズと出会って、しかし女児向けアニメを何かしらの理由で観れないファンはどうすればいいのでしょうか。監督の伝えたい物語を理解できないからと、排他されてしまうのではないでしょうか。

 少なくともこの時点で私はそんなモヤモヤを感じ、これから続編が作られるのならますますRL要素は色味を増していき、キンプリシリーズ“のみ”を楽しみたいファンを置き去りにしてしまうのではないかと、不安に駆られました。

 

 

 そしてその懸念は、最新作のSSSで的中することとなりました。

 SSS10話の内容の片鱗をTwitterトレンドで垣間見た時、遂に物語の確信に迫るのかという高揚感と、遂にそんなところまで行ってしまったかという落胆がありました。

 まあそんなこんなでもやもやしながらも、何だかんだプリティーリズムもキンプリシリーズも好きなので観たいと思い、そのいよいよ覚悟を決めてSSSを視聴しました。

 

 

 すみませんここから一気に感情的になります。

 

 

 いや~~~~~~まず一言言っていいですか。

 RL以外のシリーズの小ネタも多くないですか!??

 正直こんなに詰め込んでくるとは思わなかった。AD、DMFだけにとどまらずプリパラまで。しかも秀逸な中の人繋がりまで。

 喜んでいるように見えます? うんまあ正直ニヤッとしたし私は全シリーズ観ているので楽しめましたよ。

でも全シリーズ観ていない人からしてみれば「?????」じゃないですか???

 

 RLのように視聴必須とまではいかずとも、わりとがっつり小ネタを挟んでいるので、結局それらのシリーズを観たことのある人の方が満足度高いじゃないですか!!!

 RLだけならまだしも(それもそれで問題だけど)、それ以外のアニメの視聴まで前提じゃないと100%楽しめない作りにしないでください!!!!!

 ………うんまあ、まあね、でもまだ物語の根幹に関わるような小ネタじゃないし、RLほど視聴必須じゃないし、何ならこの時点でもRLもま~だ視聴“必須”とまではいかない。ある程度空気で状況の深刻度的なものは感じ取れる。ユウ君の背景がさらっと流されたのとか全然気にしてないので。はい。

 そう思ってたんですよ。10話を観るまでは。

 

 10話は本当に驚天動地でした。

 RLを知っている人すらも置き去りの専門用語で埋め尽くされるAパート、当然のように出てくる「そなた」という名前、当然のように出てきて喋りまくるりんね。

 地獄かと思いました。

 これはRLを観ていない人は全く意味不明でしょう。観ていても意味不明なんですから。いや私の理解力が不足していると言われればそれまでなんですけど。

 だけど、仮に観ていなくても100%近く楽しめた方がいたら申し訳ないのですが、これはもう、キンプラなんて生易しいものじゃないです。本当に本当に、RL視聴済みの前提のものがTVアニメで放映されてしまった。

 「RLを観てない人はいらない」と言わんばかりの突っ走りっぷりでしたね(被害妄想)。いや~~~~これはもう悲劇

 だってTVアニメですよ!? 映画の2作以上に、初めてキンプリに触れる方も多数いるであろう媒体なんですよ! それであの置いてけぼり展開ですか??? まあ1クールに収めるの大変だったんだよな…うん。

 

 

 こんなに文句垂れてますけど、楽しめたんですよ。最終話まで楽しめたんですけど、やはりRLだけにとどまらず全シリーズ観ている人じゃないと100%楽しめない作品になってしまったというのを全身で感じてしまい、これはもう、虚無ですよ。

 

 

 女児向けアニメならを観るのが嫌ならRLはもちろん、どれも観なければいい。そう思う方もいるでしょう。

 ですが監督が「RLを観てほしい」と明言した上、あんなものを作られたら、観ないと本当の意味で監督の伝えたかったものが理解できないじゃないですか! RLを観ていなくても、ADもDMFもプリパラも観ていなくても確かに楽しめる余地はあるのかもしれません。ですが、そうやって楽しんでその作品からくみ取ったものが、果たして監督が私たちに伝えたいものかというと違う気がします。じゃあ監督は何を伝えたかったんだと言われたら、正直分かりません。

 そもそも、気づいてほしくなければ描かないんですよきっと。

 ああやって小ネタをふんだんに盛り込んでいるのは、観ている人に気づいてほしいからだと私は解釈するんですけど、じゃあ観ないと監督の、制作側の望むファンになれないってことじゃないんですかこれは????

 映画の続編のTVアニメ12話というだけでも微妙にハードルが高いのに、そのTVアニメを正真正銘製作者の意図も汲んで100%楽しむために、プリティーリズムシリーズ約150話とプリパラ約190話を観なくてはいけないなんて……なんてことだ、本当に。

 TVアニメという、映画より比較的新規がとっつきやすい媒体でそんな一見さんお断りみたいなことをしてしまうなんて……。

 SSSを観ていると、制作側の愛をふんだんに込められ、こだわり抜いて作られた作品なのだと私は感じました。

 愛を込められて作られた作品なのに、それゆえなのか否か、過去作品の要素をあまりにも取り入れすぎて、キンプリシリーズのみを知っているファンやTVアニメでせっかく初めて触れるファンを排除してしまっている…………あまりにも悲劇です。

 

 

 

 ではキンプリシリーズというか、SSSはどうすればよかったんだよと言われそうなので、私なりに考えました。

 あくまでこうしておけばよかったのに、という後悔の話なので、これからの未来を考える建設的な内容ではありませんが。

 私の足りない脳みそが思いついたのは2つ。

 

 1つは、そもそもTVアニメをやらなければ良かった。

 そもそも映画からスタートしたシリーズであり、応援上映と相性がいい作品です。映画館で大勢と共に観ることによりその真価を発揮する作品として作っているのであれば、わざわざ同時進行で映画編集版を放映するより、最初からそちらに精力を集中して注いだ方がより素敵なものが作れただろうし、RLを観ていない人にも設定を補完する余地が多少なりとも発生したのではないでしょうか。それでも結局RLありきなことは変わらないのでもう絶望的なんですけど。

 

 2つ目は、これはSSSというよりはキンプリシリーズ全体に向けてとも言えるのですが。

 それは、映画2作ではRLの先のオバレ“のみ”を丁寧に描ききること。そして映画2作とは別の世界線(RLとは別の世界線)で、新キャラクターの物語を描くことです。

 キンプリとキンプラはあくまでRLの続編としてその世界線で描き、新キャラクターはそこまで出さず、SSSはそもそもやらない。そして、全く別の独立した世界で新たなシリーズとして一条シンたちの物語を、RLの設定を使うことなく、TVアニメからスタートして描けばよかった。そうすればそのTVアニメに過去シリーズの小ネタが挟まっていてもシリーズの集大成だからと観ることが出来、何よりSSSのようにRLありきのストーリーになることは無かったでしょう。

 

 まあそもそも何でRL世界線でSSSやった????って感じなんですけどね個人的には。

 視聴者置いてきぼりにするし、そもそもRLであんだけ苦労して世界にきらめきを取り戻したなるちゃんたちの物語が踏み台にされた気分ですよ。シャインの封印のが時系列はRLの前だと言われても、そんなの後付け設定でしょうが。

 というか!!! あんだけRLをはじめとした過去作要素ぶっこんで来るなら1作目タイトルについていた「by PrettyRhythm」をずっとつけとけよって感じです。

 プリティーリズムありきなのに、プリティーリズムの続編なのにタイトルからそれを読み取れないの、プリティーリズムのファンとして悲しいです。あの3作はこんな自己満足な作品を作るための材料にされたのか? その挙句にタイトルからその名を取られて初めからあの輝きがキンプリシリーズ独自のもののような扱いをしたのか?

本当に、本当に、どうしてこんなことになってしまったのか。

 

 とはいえ、今更嘆いたり代案を考えても、全て終わったことなので無駄なんですけどね。

 

 

 

 こんだけボロクソに書いておいてなんですが、私はキンプリシリーズも、プリティーリズムシリーズもプリパラも、制作に携わる監督をはじめとしたスタッフも皆様も、大好きです。信じてもらえないかもしれませんが。プリチャンも観てます。

 嫌いになれないんです。

 嫌いになりたくないんです。

 だからこんだけボロクソ言いながら最後まで観たし、これから続編が制作されたらまたぶつぶつ言いながらきっとそれも観るのでしょう。

 女オタクって面倒な生き物だなあ!!!!!!

 だから、あんな過去作ありきの自己満足な作品にしないで、もっとTVアニメから入っても魅力を感じる作品にしてほしかった。それだけの力があるスタッフだと思っているのに、本当に、どうしてこんなことになってしまったんだ、という気持ちが強いです。

 あんな風に、その意図がなくとも結果的に、過去作の視聴を半ば強制するような―――楽しむ方法を押し付けるような作品になってしまったことが、その作品を作ったのが信頼するスタッフたちという事実が残酷すぎる。

 

 もう今となっては、嘆くことしかできないのが現状です。今更どうしようもない。

 しかし、キンプリシリーズは多くのファンに愛されています。

 それは確かな事実だし、本当に素晴らしいことだと思います。

 私が悲劇だと思う諸々の出来事を、全く悲劇だと思わない人もたくさんいるのだから、これはきっと幸せなことなのでしょう。

 私はたまたまその“幸せ”を、幸せとして享受できなかっただけなのです。

 だからこれからも私はこのキンプリシリーズを観て幸せになることは無いのだと思います。それでも、愛するこの作品の結末を、私なりの速度と見解で見届けていきたい。

 

 

 もしこの文章を読んで、大好きなキンプリシリーズや制作陣を貶されて憤りを感じた方、申し訳ございませんがあらかじめ自己責任と申しておりましたのであしからず。

 そしてあくまでこれは私個人の見解であり思いなので、これをファンの皆様に押し付けるつもりはありません。こういった意見を持つ人もいるぐらいで考えていただければ幸いです。

 

 こんなはちゃめちゃな文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。